Life with Football

「人を育てるサッカーの力を発信したい」

#02 大学サッカー応援番組メインキャスター サーカー壽梨

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第二回となる今回は、昨年ア式蹴球部を引退したサーカー壽梨さんにお話を伺いました。大学からサッカーを始めた彼女は、様々な形でサッカーの魅力を発信し続けています。それほどまでに彼女を惹きつけるサッカーの魅力とは?昨年まで共にプレーしていた部員も改めて彼女の想いを知りました。

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サーカー壽梨

東京大学4年生。ア式蹴球部女子の部員として活動し、昨年秋に引退。スカパーの大学サッカー応援番組「レゾンデートル」のメインキャスターを務める。昨年東京大学ミスコンテストに出場し、特別賞・ミスコレ賞を受賞。

ーまず、テレビでサッカーを発信することになったきっかけを教えてください。

所属事務所で「サッカーが好き」と言っていたところ、まずスタジオショーのお話をいただきました。番組内で「サーカー壽梨のWeekend Football」というコーナーを持つことになり、一週間の情報をまとめる形で毎週生放送を行っていました。 その後外池さん(早稲田大学ア式蹴球部監督)が大学サッカーを盛り上げる番組を作りたいとのことで、一度お話しする機会がありました。私も大学サッカーを盛り上げたいという想いがあったので、「レゾンデートル」という番組のメインキャスターを務めさせてもらうことになりました。

 

 

 

ーレゾンデートルのはじまりにはそんな経緯があったんですね。番組の方向性はどのように決めていったのですか?

まず、ただ試合結果を伝えるだけではつまらないので裏にあるストーリーを見せたい、という外池さんの想いがありました。 あとは大学ごとにどのようなところにフォーカスするのか、プロデューサーとディレクターと実際に足を運んで考えていきました。事前情報があるところもありましたが、行ってから一緒に考えよう、というところも多かったです。 練習に混ぜてもらったところもあれば、学生がプレー以外でどのように関わっているのかにフォーカスして学連を取材したところもありました。

ー色々な大学の色々な面に触れる中で、特に印象に残っている例はありますか?

筑波大学は部活の中に「発信部」「データ分析部」などがあってオフザピッチにも力を入れていました。 また、明治大学が「オススメイジ」というYouTubeの企画をやっていて、それに対抗して法政大学がオンラインサロンを始めたことも印象的でした。お互い他大学の様子を見て何かを始めるなど、刺激し合っているのがいいなーと。

ー私たち東大ア式蹴球部女子はこのメディアのようにオフザピッチの活動に力を入れていますが、強豪校も色々と取り組んでいるのが少し意外でした。

大学サッカーのいいところでもあり悪いところでもあるのは、サッカーだけに集中させてもらえる環境ではないということなんです。自分たちで分析をしたり自分たちから発信をしたり、そのようなことをしないと大学サッカーにいる意味がない。サッカーだけをしたいならクラブチームの方がいいかもしれないけど、人間的成長というのが大学サッカーの醍醐味です。最初はサッカーだけをしたいと思っていた選手も、先輩たちからその精神を叩き込まれます。

ーなるほど。そのような面も含めて、サーカーさんは大学サッカーのどこが魅力だと思いますか?

それこそサッカーだけじゃない、というところでしょうか。勉強もしなきゃいけないし、選手たちはタイムマネジメントも学んでいきます。高校からそのままプロに行くのではなく、勉強がしたいから、もっと成長したいからと敢えて大学サッカーを選ぶ選手もいるくらい、大学サッカーは選手を人として育ててくれるんです。主務などを務めると外部の大人と接する機会もありますし、成長の機会がたくさんあるのが良いところだと思います。

ーレゾンデートルはそんな大学サッカーを盛り上げるための番組ですが、実際に反響はありましたか?

印象に残ってるのは、去年福岡大学を取材した時のことです。福岡大学vs鹿屋体育大学というのが九州の早慶戦のように盛り上がる試合なのですが、福岡大学を取材したことで、鹿屋体育大学からも取材をして欲しいという声をいただきました。大学サッカー部からこのような反応をもらえたのはとても嬉しかったです。 あとは、試合会場でJの選手や監督に「番組見たよ」と言ってもらえたり、高校生が見てくれていたり、大学サッカー界以外の人にも見てもらえているのがありがたいですね。高校生が進学に迷った時に番組を参考にしてくれたという声もあり、やりがいを感じました。

ーサーカーさんはサッカーを選手としてプレーしつつ発信もしてきましたが、そこまで深くサッカーに関わろうと思ったのはなぜなのでしょうか?

元々見るのが好きで、大学の部活でプレーを始めて、段々大学サッカーにハマったという感じでしょうか。サッカーそのもの以上に大学サッカーの魅力に引き寄せられたのかもしれません。大学上がりの選手がプロに行ったら応援したくなります。

ー大学サッカーのお母さんのようですね(笑)

そうかもしれません(笑) Jリーグのような大きな舞台よりも、コアなところの方が面白いと私は感じます。プロは出来上がっているけれど、大学サッカーは出来上がる過程や4年間での選手の成長が見られるのが面白い。 プロを目指して大学サッカーの世界に入ったものの、選手以外のサッカーとの関わり方を大学で学び、別の道を選んだ人もいました。諦めたんじゃなくてそれも選択だというのが奥深い。話を聞くと皆いろんな想いを持っています。

ー番組以外にもサッカーの魅力を発信する活動をしてきたとのことですが。

大学サッカー経由で知り合った方の紹介で、スポーツメディアの記事を書いたこともありました。サッカー以外のスポーツも紹介していましたが、印象的なものとしては文京LBレディース(東大女子が合同で活動するクラブチーム)の選手を取材したことがあります。(実際の取材記事) サッカー女子を紹介することができる良い機会でした。人にフォーカスするのは面白いですね。

ー昨年出場されたミスコンでもサッカーの話をされていました。

はい、ミスコンではア式女子の発信をメインにしていました。東大の女子にア式女子の存在を知って欲しかった。実際にミスコン経由でア式女子のことを知り、秋入部をしてくれた部員がいるのは本当に嬉しいです。存在を知った上でたくさんの人に応援してもらいたいという想いで発信していました。

ーサッカーの色々な形を見てきたサーカーさんの目に、東大ア式女子はどのように映りますか?

まず、東大に女子サッカー部があること自体の意義が大きいと思います。女子サッカーをもっと広めていくという面で、2割しか女子がいない東大に女子サッカー部があって、プレーし続けていくことが貴重なことだと。 だからこそ、「東大のア式女子だからできること」をもっとしていくといいなと思います。私も「現役東大ア式女子部員」という肩書きがあるおかげで話が聞けたこともありました。このメディアもこれからもっと大きくしていって欲しいです。

ーありがとうございます。最後に、これからサーカーさんがどのようにサッカーに関わっていきたいか教えてください。

私は来年から社会人になりますが、これから身につけるスキルをサッカーに還元したい、サッカーを発信し続けていきたいという想いがあります。サッカー選手と関わり続けて、自分が見たことを発信していきたいです。そしてプレーヤーとしてもサッカーを続けていきたい。自分がプレーしてきたからこそ伝えられることも多いと思うので、プレーヤーとしても発信者としてもサッカーの魅力をどんどん広めていきたいと思います!

ーありがとうございました!

Interviewer

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おぐ

4年生。背番号10のMF。小3でサッカーを始め、高校時一度サッカーから離れるものの、大学でサッカーを再開するために東大受験を決める。昨年主将を務めた。